2011年10月24日月曜日

木場弘子氏、クルマ社会とCO2の関連性について語る

木場弘子氏とトヨタ自動車 技監、ITS Japan常任理事 渡邉浩之氏

『駆動エネルギーをいかに効率よく得るか』

持続可能なクルマ社会の実現に向けて、ダイムラー社からのプレゼンテーションの後は、社外から招いた講演者が登壇した。1人目の渡邉浩之氏は、トヨタ自動車でハイブリッドの開発に携わった技監であり、ITS Japanの常任理事でもある。渡邉氏は移動の自由など、クルマが実現してきたことが多数ある一方で、「環境やエネルギー面においては様々な課題を抱えている」と指摘した。

その課題とは、大気汚染、二酸化炭素(CO2)排出量の増加、化石燃料の枯渇化の3点だ。

これらの課題克服に対して、渡邉氏は「石油や天然ガスといった1次エネルギーを、いかにして効率よく駆動エネルギーに変えていくか」という視点から、「エンジンやトランスミッションの進化、車両重量の軽量化、ハイブリッド技術の向上」などが必要だと説いた。

また、燃料製造工程における脱カーボンも重要な課題である。昨今は植物由来のバイオ燃料に注目が集まっているが、森林消失や生態系への影響も危惧されているだけに、ここでもやはり高効率な駆動エネルギー確保という考え方が必要になる。

「Well to Wheel」――すなわち、エネルギー源の“井戸”から、駆動部分である“タイヤ”までを見据えた研究開発が求められているのである。渡邉氏は、持続可能なクルマ社会を実現するためには「モビリティのあるべき姿を考え、技術開発のロードマップを描くことが重要」だと語った。

続いて登壇したのは、キャスターであり、千葉大学特命教授でもある木場弘子氏。木場氏は、今年7月に洞爺湖サミットのクールアースアンバサダーに就任している。講演では、その活動の一環である「1人1日1kgのCO2削減運動」をはじめ、身近な視点からクルマ社会とCO2の関連性について語った。

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